ウールフェルトのハットをおすすめする理由とショップによる違い

ウールフェルトの特徴

フェルト素材にもビーバーファーやラビットファーなど複数の種類があります。
帽子の素材として優れていると評判なのが、羊の毛を使ったウールフェルトです。
ウールフェルトはビーバーファーやラビットファーとは違い、表面がくしゃくしゃと縮れているのが特徴です。実はウールフェルトを拡大すると、その表面には鱗のような鱗片が無数に存在しています。
ふわふわとしたウールの質感はこの鱗片によるものです。

また、ウールの質感は産地によっても異なります。特におすすめなのは、雄大なオーストラリアの自然の中で育てられた羊の毛を使ったフェルトです。オーストラリアには現在6,800万頭もの羊がおり、高品質なウールを大量に産出できる環境が整っています。オーストラリアの恵まれた太陽光や水、草によって育てられたウールは品質がよく、長く愛用できると評判です。

天然素材のうちウールフェルトがおすすめの理由

ウールフェルトには十分な柔らかさがあることから、帽子の素材に使うことで被り心地のよいものになります。十分な耐久性があることや通気性がいいなど、機能性が高いこともウールフェルトを使うメリットです。
ウールは日光からの耐熱性や保護性が高く、紫外線によるダメージが受けにくいという嬉しい特徴があります。

また、ウールフェルトには、トップまたは梳毛（そもう）と呼ばれる長い繊維のものと、ノイルまたは紡毛（ぼうもう）と呼ばれる短い繊維のものがあります。より軟らかいトップを使ったウールフェルトは、滑らかで触り心地がいいのが特徴的です。ウールフェルトのハットを選ぶときには、トップ素材の軟らかいものを選ぶとよいでしょう。

メリノ

メリノはメリノ種という羊から取れるウールの総称です。品質の高いメリノには柔らかさの中に十分な弾力と光沢が備わっており、ニット製品などの衣料品やファッション小物に多く使われています。加工したときの保温性や吸湿性、放湿性が高く、快適に身につけられるのが特徴です。また発色もよく、カラフルな色合いに染めることができます。

ロムニー

ニュージーランドの羊の約8割はロムニー種だといわれています。ロムニー種の羊の毛は、ほかの羊の毛と比べるとやや硬いのが特徴的です。ロムニーのウールを衣類に加工すると、ざっくりとした素朴な印象になります。
ただし、使い方によっては少し重たい仕上がりになってしまいます。そのため、ロムニーはウールのカーペットなどに多く使われています。

コリデール

コリデールは、メリノ種と食育用のリンコルン種の羊を交配させて作られました。
コリデールの毛質はメリノほどではありませんが十分な柔らかさを備えています。
柔らかすぎず硬すぎない丁度いい質感なので、扱いやすく加工したときの肌触りも抜群です。

その他のウール

アパレルに使われる羊毛のほとんどはメリノかロムニー、コリデールです。ただし、まれにランヴィエやアッシュフォードといった種類の羊毛が使われることもあります。また、複数の羊毛をブレンドして生地に加工する例もあります。羊毛にアルパカの毛を混ぜたり、天然繊維にナイロンやアクリルなどの化学繊維を入れたりして仕上げている業者も少なくありません。